tiny city のためのテキスト

+登ってみたいよ きっと 肘とか膝が ざりざりになるだろうね

+蓋をまわすと ちょっとだけ 錆びの匂いがしてくるんだ オバアチャンちのクッキーの缶

+句読点をちゃんと使える大人に ならなけりゃあって 叔母さんは言うんだ

+必ず 僕を呼ぶ声が聞こえてくるんだ 声の形が 空気の中にゆっくり溶けて 僕は走って走って 戻っていくんだ

+鳥しか住んでないよ 軽業師みたいに生きなくては だめなんだよ

+それじゃあ 困っちゃうよ 小さな鳥が困っちゃうよ 白いお皿みたいな水飲み場なんて

+頭骨を振る 地図の形が そこにある

+鍵が ひとつありました でも どこにも オウチはありません イエナシ鍵のご入場です

+朝だけしかなかったら 昼だけしかなかったら 夜だけしかなかったら

+鳥語を話した夜に 僕の前髪の毛の束が ぞぁっと 震えてきたのが よくわかったんだ そんな時は 絶対によくないことが 起きるんだよ

+オウチの番号とってもきれいな記号

+その場所にはね 卵が たくさん落ちてるんだ 鳥が 笑っているの その中には なあんにもないのよって

+オカアサンの指はさぁ ちょうどいい鍵なんだ ちゃんと 鍵の形を覚えておくのよって 言われていたはずなんだけど、、、、

+わからない屋さんが 住んでいました でも わからないんです 町のどこかということが

+海の匂いが するだろうよって 消防士は散水器を磨いてる

+屋根と屋根が 繋がって ひとつのオウチになりましたとさ

+そんなものが 欲しいのかぁいって 小さな頭骨の鳥が 僕の胸元をのぞきこんでくる

+軽業師のように 生きるなんて無理なこと だから 時間は帽子の中に

+〈シロタマゴ〉は言う 世界は どこにもない その嘴仕事から生まれる 私の皮膚の上の細かな地図

+鍵の形を覚えておくこと そうすれば カエルコトができるのだから オカアサンは そうも言ったよ

+オウチの記号をその小さな頭にきざみつけられたら

+からっぽの卵を ひろいに ゆきましょうよ まだまだ 足りないでしょう?

+なにをいれるの? そんなことを考えてはいけないの 私たちは 受容するだけなのだから