chronology biography

Written by yun

言葉で補完する試みとして

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大森裕美子/東京生まれ

1984
26071984<出会う>ということを強く意識する そして世界を認識してゆく
たまたま通りかかった解体途中の建物の様子に魅かれる
そこで解体された鉄骨の針金を拾い 出会いのメモとして 場所や物の写真を撮りはじめる

+断片的な印象によって 世界は確認されてゆく

そうやって出会ったモノたちに記号をつけ始める
06081984に出会った珊瑚は collection-D     28101984に出会った石達は collection-F

5cm立方の箱を多数制作し その表面を終わりのない連続する模様で埋め尽くしてゆく作業をはじめる
5㎝立方という容量へのこだわりは 中学生時代に遡る*
*5㎝立方の金属製の定量箱によって いろいろな場所から同量の土を採取し
顕微鏡によって土壌動物の観察をする
閉じたフレームのような顕微鏡下の小さな世界にたくさんのイキモノのいる様子は
子供心に好ましい世界の在りようとして印象づけられた

1985-1987
collection-Dシリーズ(出会った珊瑚を自作の箱に展翅してゆく作業)
の500点を始めとした *一連の箱の作品 を制作し始める

*出会ったモノにdecencyなサイズの箱を作り
そして 箱の中にはモノと出会った日付 展翅された日付が タイプライターによってつけられる
一部の作品には 日付といっしょに指紋捺印がされている
日付の記載形式は変化するが 箱の素材(薄手の段ボール 或いは 厚手のグレーの板紙)とテグスによる展翅方法は変わらない

そして展翅したもの(motiv)に対しての確認作業としてスケッチ的なドローイングとともに
textとしての言葉をつける (詩の形式 或いは 断片的な単語の羅列)
「collection-D」の最初のドローイングをする
フロッタージュ**や断片的な単語のコラージュをミックスしたボールペンと色鉛筆によるmotiv-Dを100点制作

**エルンストの一連のフロッタージュやコラージュに魅かれる

以後 継続して展翅<specimen work>の作品は制作されていく

1986
マーキュロクロムに出会う*
*140211986 香港土産としてマーキュロクロムの小さなボトルを親友から受け取る 以降 第一素材として使い続ける

マーキュロが子供の頃の印象のまま私のところにある
ヨゼフ・ボイスへのオマージュとして<JB-64>制作
□ヨゼフ・ボイス追悼展(一葉会ギャラリー/神奈川)に出品+追悼展のためのブックレットデザイン
collection-Dシリーズの最小サイズの a breath-of life-169casket制作

1987
銅版画・リトグラフを大学の版画工房で試す  版画技法そのものにはあまり継続的な興味は持てなかった
よりダイレクトな技法を試行する →素材としてのグランド溶液(廃液)に出会う
人体をモチーフにした線描によるシリーズ-MENSCH-制作
渡独 独Wolfusburgでエッチングによる版画作品-鳥語を話した夜に-を制作
□Vier japanische Kunstler stellen aus(Kulturzentrum Wolfsburg/German)

マルセル・デュシャンのTV画面の写真をオランダのホテルで撮る
以後 何度となくこの写真によるオマージュの作品をプランする
卒業制作のためにメモとしてのモノクロ写真シリーズ及び写真とコラージュのドローイングを制作
後にモチーフとなったモノを石膏どりし鉄の箱の内部に配置した作品-展翅考-制作

11111987 小さな実と錆びたワッシャーを拾う
手元にあった硝子板の上にそのふたつを配置する→MATERIAL GLANCEのはじまり

1988
水銀を使った作品-meta-をプランする/吊るされた形態について 漠然としたイメージのメモをとり始める

□東京芸術大学美術学部卒業制作 [展翅考]制作 サロン・ド・プランタン受賞

19021988  立方体に張られた水のふくらみは/そっと身震いをして/わたしの内側にやってくる
ささやかな行為・方法による独り遊びの形式の作品プランを始める/僅かな行為の集積によって展開して 世界を拡大してゆけたらと考える

1989
■展翅考(ギャラリー現)
モチーフになったcollection-Dとmotiv JB64のボールペンによるドローイングの並列展示
motiv-Dに言葉-text-をつけ製本した雛本を制作し展示

□見えない彫刻展(平塚市市民ギャラリー)
小枝で作った小さな梯-LADDER-のシリーズとcollection-Dを展示
□東京芸術大学美術学部大学院修了制作-記視l〜V-制作
鉛 石膏 ハニカム構造 グランド溶液などいくつかのmaterialを組み合わせてゆく試み
同時期にブリキ板にマーキュロを流した作品-die Rote-を制作し始める
スタンプによる作品 -Coral Collage Collection-の最初の制作年

収集し保管してきた様々なモノを10cm平方の硝子板のうえに配置する作業
或いは訓練として意識して開始する  その作業を* [material glance]と名付ける
* 瀧口修造によるテキストのタイトル
展翅作品-BLAU-のテキストのために**青いボールペンと溶剤によるドローイング制作
**[青]という色についての意識のはじまり
Wolfusburg Kasten 63 金属板に出会った場所をリトグラフで刷り 箱に仕立てて展翅をする

1990
マテリアルを実験的に扱う制作 東京芸術大学大学院修士課程修了

下見に出かけたギャラリーNWハウスで後に[ Paar ]と名付けるコンクリートの床面に出会う
MATERIAL GLANCEの配置を額縁状の木枠のなかに行う
11月 記詩誕生 温かな湯の中に浸されるガーゼの様子にマテリアルとして魅かれ始める

1991
■Material Balance<die Röte>(ギャラリーNWハウス[トランスリフレクション]山本和弘)で
金属板にマーキュロクロムを流した平面的要素の<die Röte>を
画廊のコンクリート壁面に残された区画にあわせて配置してゆくインスタレーション

1992
□ART TODAY’92(セゾン現代美術館[物質との対峙ー空間への詩学]中村麗)
大量のシートゴム チューブゴムにマーキュロを塗布し美術館の空間に配置
表面にガーゼを塗りこめた石膏板を床面の目地に沿って配置した-MATERIAL CHART-を発表
同時期にチューブゴムの象徴的な作品-柔らかな鍵穴-をプランする

記詩の誕生日に前年のケーキのロウソクを展翅するシリーズを開始
MATERIALとしてのグラスウールに出会いプラン始める

1993
■MATERIAL GLANCE(ギャラリー現/東京)
展翅シリーズの箱作品群と1989年頃から明確な形式をもちはじめた[物質のまなざし]を初めて発表する
配置のためのベースを硝子から琺瑯製の板に作り変え テーブルレベルに展開する
MATERIALとして琺瑯で作る作品をプランし始める
出会ったモノの形の型紙を作り 太陽光線で日焼けさせるドローイングを始める

■Material Balance<Alcove>(ギャラリーNWハウス)で石膏の容器或いは
箱的なものにチューブゴムを配置したシリーズ 出会ったモノから石膏で型取りした形にマーキュロを塗りこめるシリーズとパース用紙によるドローイングを展示
N.Y滞在
□YOSHII GALLERY N.Yで-柔らかな鍵穴-を初期の形で発表
後にトレースドローイングのモチーフとして重要になる収拾物との幸福な出会い
栗鼠の齧った木の実はちいさな彫刻として私の眼に映る

1994
□21世紀的・空間展(セゾン現代美術館/東京)
collection-Dの新たに制作したドローイングmotiv-D 500点を制作/1984年に出会い10年を蓄積したDの500個の箱と壁面に並列させた展示
Katharina Fritshの作品からインスパイアされた収拾物による箱の作品を含む10年間の展翅作品の展示
□JAPANIESE CONTEMPORARY ARTIST (吉井画廊/東京)
チューブゴムのシリーズとマーキュロによる矩形のドローイングの展示
□美術と博物展(福井県立美術館 [大森裕美子]芹川貞夫)
セゾン美術館でのcollection-Dを再展示とともにスタンプによる作品-Coral Collage Collection-の新作を発表
Wolfusburg Kasten 63(’89制作シルクプリントされたブリキ製の箱に種を展翅)と種子をモチーフにした展翅作品をセレクトして展示
対になるWolfusburg Kasten 63 1994(’89制作時にスタディされた紙製の箱に種を展翅)を展示

1995
毎月制作した<text>(ドローイングおよび冊子 プリントワーク)を郵便によって1年間 数十名に送付する
<text>のシリーズは いろいろな形式で継続されてゆく
■text 1990505(サイギャラリー/大阪)
-柔らかな鍵穴-(マーキュロクロムで染めたチューブゴムを折る) 92年にプランされ この時最終的な形で展示
案内状を手描きのエンボスドローイングで制作
■text 1990507 Material Glance(柏木画廊/東京)
■text 1990508 (吉井画廊/東京)リトグラフ制作   案内状をマーキュロクロムのエンボスドローイングで制作

□Morphologia 螺旋の形態学(アキライケダギャラリー/横須賀)
-die Rote-(金属板にマーキュロクロム)を壁面に30枚連ね マーキュロクロムを塗布したシートゴムを目線の高さにインスタレーションする

1996
day by day 小サナマナザシ ヤサシイミズ 私ノコウマ ハリノナイトケイ オワリノナイ ササヤカナ サギョウハ 日常ノ カクニン
この年にポストカードサイズの作品を毎日制作366枚。表にコラージュと曜日のスタンプ 裏に制作のための覚書を描く
■Der Alltag<日常><あらゆるモノの位置>(ギャラリー現/東京)
石膏の支持体にマーキュロクロムを塗りこめた チューブゴムを吊りさげる展示
なにかしらモノが吊り下がっている状態には昔から魅かれている チューブのささいな曲線を頼りにしてゆっくりと思考してゆくこと
■paar (ギャラリーNWハウス / 東京)
1990年からプランしていた型取りのシリーズ
画廊の床面の窪みを石膏でとり 反転させマーキュロクロムで塗りこめたパーツをインスタレーション
その配置の設計図をコラージュドローイングで展示
ギャラリーの別スペースにCA-STのシリーズ展示 石膏によって反転した世界に元のパーツを設置する方法

□INTER WORK (サイギャラリー/大阪)
□美術家の冒険ー多面化する表現と手法 (国立国際美術館/大阪)
美術館の壁面の区画サイズで石膏とガーゼの支持体を作り マーキュロクロムで塗込めてインスタレーションをし
さまざまなシリーズの作品を同時展示

□TAMA VIVANT ユ96浮遊するP/美術と現実(多摩美術大学/東京)
◇WORK SHOP いいもの(世田谷美術館) 小学生を対象にした連続のワークショップ
箱を作り その中に珊瑚や公園で拾ったものを展翅する 子供たちへのテキスト冊子を制作

1997
■tiny works (ギャラリー現 / 東京)
ウツクシイ セイサクハ ソレラノ 形ノ娘デアル 形ハ ソレラヨリモ 先ニ生マレテイル
小さな作品のシリーズ
ささやかな素材と方法によってカタチヅクラレタモノをアクリルケースに設置 し3つごとのリズムで壁面に展示
展示後半は制作を常に支えてくれている記詩に捧げるために
記詩の作品といっしょに前年から続いてこの年も毎日制作したポストカードサイズのコラージュを展示
■サイギャラリー/大阪

1998
■works (ギャラリー現 / 東京 )
郵送シリーズ2  post card seriesを送りはじめる
コラージュ的なポストカードを毎月 受取人に送付する

1999
■tiny eggs ギャラリー現 / 東京
■# 366077 cradle series 1999 <for giraffe> gallery IDEA / 東京
□ 気配 サイギャラリー/大阪
2000
■tiny city 1.to your tiny glance 2.through the door ギャラリー現 / 東京
□現代アートが開く「私」の世界 水晶の塔をさがして 福岡市美術館/福岡
2001
■well たった一日で町を作った大男に聞いた話 ギャラリー現 / 東京
□NEW SPACE  Oriel Mostyn Gallery/ Wales
シートゴムによるインスタレーションとmaterial glanceの展示
□BOX ART展 リアスアーク美術館/新潟市美術館/おかざき世界子供美術館/
静岡アートギャラリー/高知県立美術館
2002
■field 綿畑に埋められた世界の見本 そうした続きの続きの話 ギャラリー現 / 東京
■ongoing  サイギャラリー/大阪
□NEW SPACE  Glynn Vivian Art Gallery/ Wales
前年のOriel Mostyn Galleryのシートゴムを形を変えてインスタレーション
◇WORK SHOP いいものいいこと 佐倉市美術館/千葉
珊瑚の展翅を再現して自分にとってのいいものを探す術と  モノを並べることの意味を提示するワークショップ
●郵送シリーズ3 tiny eggs studio series
郵送シリーズの3つめの制作 25人の受取人
2003
□BOX ART展 /福岡
□ドローイングと、、、 サイギャラリー/大阪
2004
■material glance ギャラリー現 / 東京
2005
■嘴仕事或いは囀り der Zipfel ギャラリー現 / 東京
2006
■wall accessories ギャラリー現 / 東京
一口分のバターやジャムのケースを石膏で置換え 壁面に直接石膏で配置してゆくインスタレーション
□MITE! /岡山県立美術館
◇WORK SHOP いいものいいこと/東京都現代美術館
日常のなかにあるなにげないモノを石膏に置換え再構成してゆく  自分とっての大切なものを配置する
小・中学生を対象にした連続のワークショップ
2007
■soft white ギャラリー現 / 東京
卵やジャムの瓶などを石膏に置換えたパーツを壁面に設置しドローイングをしたインスタレーション
2008
■little somethings サイギャラリー/大阪
[material glance]の枠組みをいったん解体し 空間に配置してゆく試みのインスタレーション
ささやかな方法によって形づくられたモチーフの印象をドローイングブックとして展示
■der Petal ギャラリー現 / 東京
2007年に出会った薄紙製の花弁の形を定規として
デジタルワークで習作をし アウトプットとして 画廊壁面に線描のインスタレーション
2009
2010
■tiny works 01022010-20022010 ギャラリー現 / 東京
2011
■another place,another mind サイギャラリー/大阪
■as a motif ギャラリー現 / 東京2010
2012
*福間健二監督「あるいは佐々木ユキ]ポスター・フライヤー・パンフレット制作
□ドローイングと…サイギャラリー/大阪
■drawing works:as broken blue as solid white ギャラリー現 / 東京
□自然と幻想の博物誌 豊橋市美術博物館/愛知
2013
2014
debeaker dreamのためのデジタルワークによる習作
2015
■debeaker dream ギャラリー現 / 東京
単一の形を展開させてトレースするシリーズ    キャンバスに手描きでアウトプットしてゆく
□平面 サイギャラリー/大阪
2016
[黒]について試行するために木炭と樹脂の黒塗料による[BLANK BLACK] のドローイングをはじめる
□アートフェア東京 / 東京 で[BLANK BLACK] の最初のドローイングノートとキャンバスワークを展示
□アートフェア福岡 / 福岡
ギャラリー現の個展の案内状としてチップボードで[BLANK BLACK]シリーズドローイングを1100枚制作
ギャラリー現のカレンダー制作
2017
■BLANK BLACK ギャラリー現 / 東京 キャンバスと鉄のフレームによるインスタレーション
□アートフェア東京 / 東京    キャンバスワークを展示
2018
□アートフェア東京 / 東京    ドローイングノートとキャンバスワークを展示
■blur blue サイギャラリー / 大阪 円形キャンバスによるインスタレーション